うし
お隣の韓国では、米国産牛肉輸入反対で大騒動になっているという。
閣僚は辞任し、大統領支持率は急落し、デモが2ヶ月も続き、政府の弾圧が始まったと報道されている。
民衆がパワーにあふれている点はとても羨ましいのだが、牛肉に対する民衆のこだわりがぜんぜん違うのかもしれない。
ひるがえって日本の庶民にとっての牛肉とはどんなもんだろうか?
子供のころ(昭和40年ぐらいかな)肉といえば鶏肉、豚肉、鯨肉であったと記憶している。羊ややぎはほとんど食わなかった。
当時、鯨肉は蛋白源として広く出回っていただけでそれほど人気があったわけではない。
くさいし、さほどおいしいものでもなし。
だからほかの蛋白源が市場に潤沢に出回っている今捕鯨にこだわる理由がよくわからないわけだが。
牛肉といえば、たまに食べるすき焼に入っていたものの、すじっぽい肉で特においしいという印象はなかった。
ま、単に我が家が貧しかったからすじっぽい牛肉だったのかもしれないが、当時の庶民の食とはそんな程度ではなかったかとも思う。
しもふり牛肉、しゃぶしゃぶ、ステーキなどは高級品。高嶺の花。
今でも思い出すのは、中学のころ、ステーキ弁当なるものを持ってきた転校生がいたことだ。そのころの転校生といえば、だいたい都会(東京)から、郊外(横浜)に一戸建てを購入して移り住んできたリッチな家庭と相場は決まっていて、一足先に東京から都落ちして移り住んできた我が家とはちょっと階級が違うのであった。
特上「牛肉」だぁーといわんばかりに、うな重のように、白い飯の上に肉2枚を乗せただけの弁当。
貧乏人の集まる公立中学だったから、まわりはめずらしそうに、その肉はなんだと聞く。
転校生はやや照れながら「昨日食べたんだけど、弁当にまで牛肉入っているとは」などとしらじらしいことを言う。
わかりやすい形で自己主張しないと貧乏人には牛肉だと信じてもらえないから、そういう詰め方をしていたのだろう(←憶測です)。
で、自分が牛肉をよく食べるようになったのはずっとあとのことで、大学時代、牛丼ブームが起こってからだ。ちなみに、吉野家のホームページをみると、1973年 米国・デンバーに牛肉の買い付けを目的としたUSA吉野家を設立。フランチャイズ第1号店を神奈川県小田原市に開店とある。(1976年に大学に入ったのだ)
しかし、すじっぽい肉のすき焼と同じようなもんで(値段からいってそうだろう)、たまねぎ嫌いということも加わり、とりたてて牛肉に対するこだわりは生まれなかった。
その後牛肉自由化がどうのとか騒いで、ステーキとか普通に食べられるようになったわけだが、牛肉はあくまでone of choices に過ぎないとも思う。
脳みそが海綿状になる危険があろうとも、さほど大きな騒ぎも起こらないのは食の安全に無頓着というよりも、牛肉に対するこだわりに問題があるのかもしれない。
やっぱ、韓国は焼肉なんだとあらためて思ったのだった。
おしまい
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